かば祭り1996の会場で出会い、ご近所だとわかった彫刻家下川昭宣さんは、その後すぐにご自分のカバ彫刻「楽園」10点ほど、見ることができそうな場所に設置されているものをリストアップして届けてくれた。画廊やレストラン、ホテルの中に置かれているほかに、街の中に公共機関が設置したものもあった。
その年の夏に運び屋NKさんとリストの中から一番行けそうな場所。蕨市に設置されたカバ「楽園」を見にいった。蕨市が市内全域に県内外の著名な彫刻家の作品を設置して、それを遊歩道でつなぎ市民文化の向上を目指すという「彫刻のあるまちづくり」計画の一環で、下川さんのカバとウサギが展示されていた。写真は運び屋NKさん。
場所は蕨市北町2丁目コミュニティ通り 植え込みの一角にカバが群れている「楽園」があった。材質は黒御影石。
2002年に運び屋NKさんが写真を撮ってきてくれたベルパークシティ中央広場のカバもリストにあった中の一つ。
リストには銀座のレストランの名前があったが、やはり入りにくくて、行けないうちに店はなくなってしまったようだ。カバの彫刻はどうしたのかちょっと気になります。
1994年の結婚記念日にホテル1泊旅行としゃれこんだ。料理が美味しいと評判の湯河原のホテル ラ・シェネガ。
ホテルに着いて驚いた。夢か幻か?ロビーの階段の向こうにカバが見えるような気がするんだけれど…。ついに私もおかしくなったかと思った。「カバがいる」と呟く私に夫も怪訝な顔をした。
まさかと思いつつ、夫を放って階段を上って近くに寄ってみたら…
カバだ!カバだよネ?そこには石でできたカバが鎮座ましましていた。
ホテルの方に聞くと、ホテル開業の頃、オーナーが購入したものとのこと。有名な作家の芸術作品で高級外車1台分の価格だと聞いていると言っていたような‥ 。作家は下川昭宣氏 、作品は「楽園Ⅸ」だと調べて教えてくれた。
「もし、ホテルを閉めることになって、このカバを処分することになったなら引き受けますから連絡してくれるようにオーナーにお伝えください」と少しは本気も入った冗談交じりに、コンシェルジュ氏に話した。
ホテルは名前は変わったが、今もある。カバがまだいるかどうか、いつかホテルへ確かめに行きたいな。
ラ クラッセ ドゥ シェネガ
さて、話はこれからです。
1996年 ギャラリーで開いたかば祭りの時に、高価で買えなさそうなカバの写真何枚かを1枚の額に入れて展示した。コレクションはできないが、こんなカバが世の中にいることを知ってほしくて展示したものだが、この額の中心に下川氏のこのカバの写真を置いた。
展示最終日、もうそろそろ片付けに入ろうとした時に、一人の男性がギャラリーに現れた。入口から全体を見回して一言「もっと良いカバがいるのに…残念だなぁ」
もっと良いカバがいるとは聞き捨てならぬ。こういう場合はたいてい‥‥
「作家の方ですか?」
「そうです」やっぱり…
「もしかしてカバを作られているのですか」
「僕の作ったカバは…」とここの建物に、あそこの店にといくつか名前をあげていくうち「湯河原のホテル」と言うではないか。
「ラ・シェネガですか?」と彼を写真が飾ってある額の前に連れて行く。
「あ、そう、コレ、僕が作ったの」
「え”ー!!」
彼は下川昭宣さんだった。ギャラリーの隣のビルに銀行のATMコーナーがあり、その日たまたまお金を下ろしにATMへ行き、目に入ったギャラリー入口のカバに引かれて入ってきたのだと言う。彼は、当時私が住んでいた家と同じ町の同じ丁目に住んでいた。
カバの神様は絶対にいる!と思わずにはいられない。かば祭り1996はカバの話題満載だったのです。
1996年のかば祭り(3月1日から6日まで)の時のこと、3月3日の日曜日そろそろ昼食休憩にいこうかという時、受付の芳名帳を見るともなしにめくったら、芳名帳に「アレクサンドル今井」の文字が飛び込んできた。「エーッ!」私はギャラリーの中に向かって叫んだ「誰?誰がアレクサンドル今井?」家族連れの男性がこちらを向いた「僕だよ」
その昔、西武百貨店でアレクサンドル今井氏がカバ作品を床に並べた個展を見たことがある。その時の光景が忘れられない。カバの塊はン十万円の高値がついていて、それだけにいつかあのカバを手に入れたいものだと、夢の一つとして心の片隅にあった。そのアレクサンドル今井さんが来ているって、なんで?
聞けば家が近くで、昼食を外で食べようと奥様とお嬢さんと出かけ、食後にブラブラ散歩していてギャラリーに入ったという。カバの神様のお導きだわ!記念撮影をしてもらったりしているうちにアレクサンドル今井氏が言った。「うちにまだカバがあるからおいでよ」というわけで、翌日、駅の反対側にあるアレクサンドル今井氏のご自宅にうかがった。
玄関前にドンと置いてあった、あの特大金カバです。
この後、かば祭り会場へ行くので私はカバのトレーナーを来ている。芸術家らしい自由な雰囲気の素敵なご自宅で、コーヒーをいただきながら話もはずみ、結局金カバ2頭を譲ってもらうことになった。2頭にしたのは、いつかカバ美術館を開くことになったらその玄関の両脇にひとつずつ置くことを考えたから。サインをするというので、それぞれ「アレックス」と「アンドレ」とサインをしてもらい、そのままかば祭りの会場に運んでもらったのです。
それまで自宅で開いていたかば祭りをギャラリーで開いたかば祭り1996
こんな出会いがあるなんて夢にも思わなかった。外に出てみるものだなと感じた最初のできごとでした。
カバ通信
明治通り沿いの代々木駅付近の大手建設会社のショールームの表にアレキサンドル今井さんの巨大な黄金のカバが、発泡スチロール製の黄金の巨大な人面と一緒に展示されていました。カバの方には作者のサインが入っていました。彫刻作品(?)にサインが入っているのはなんだか変な感じです。以上、報告いたします。 by E.M
1997年5月29日 神宮前に住んでいる友人E.M氏からファックスが届いた。場所はフジタヴァンテというイベントスペース。これは見に行かなければ! するとその5日後にカエルコレクターHH氏から写真が届いた。
フジタヴァンテの入り口にあるカバ様のものが目につきましたので写真を撮ってきました。前からありましたかどうか不明であるいはすでにお知らせしたかもしれませんが、一応写真お送りします。
オオ、これだな!E.M氏の言う通り巨大人面と金カバが並んでいる。さっそくE.M氏に写真を入手したと報告した。
あの場所は近所の人でなければどこかに行く途中で通りかかるような場所でもないのに、びっくりです。by E.M
さすが、カエルコレクターHH氏、日々足を使って探索してるのだなと感心したものです。コレクターとして見習わなければと思ったものの、結局私はフジタヴァンテへ行かず、この写真を入手しただけに終わってしまった。その後一度だけフジタヴァンテへ行ったが、その場所はもう無くなってしまった。
巨大人面の実物をみることはできなかったが、巨大金カバについては、前年に作家の家で実物を見ていた。その話はまた。
昨日(2021.6.16) フランスかば協会(ADH)から届いた写真です。
オランダの古都デルフトは画家フェルメールの故郷。陶器でも有名な町です。デルフトの店にいたカバ。白地に青のいかにもデルフト焼きらしい陶器。ああ、このカバ欲しい!
そしてロッテルダムのブラーク(Blaak)駅近くにある記念碑は、ロッテルダム出身の漫画家マーチン トゥーンダー(Marten Tooder 1912-2005)に捧げられたもの。
マーチン トゥーンダーはオランダでは最も著名な漫画家で、作品の中でキャラクターが語る決まり文句、新しい単語や表現は、オランダ語の一部となるほど大きな影響力を与えたそうです。作品は動物が主人公のトム・ブッスシリーズがもっとも有名。
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